オンコール代行を導入すると、「看護体制加算」が取得できる場合があります。看護体制加算を取得できれば収益が増え、さらなる施設の充実へとつなげられるはずです。
そこでここでは、看護体制加算の基礎知識とオンコール代行との関連性について解説します。これから看護体制加算を取得したい、オンコール代行を導入したいと思われているなら、ぜひ今回の記事を参考に導入を検討してください。
「看護体制加算」とは、特別養護老人ホームなどにおいて、看護職員の充実をはかっている事業所に対して与えられる加算です。つまり充実した看護サービスを提供する事業所を評価し、より多くの利益をもたらそうとする制度のことです。
看護体制加算を受けるには要件を満たさなければなりません。
看護体制加算には6つの分類があり、分類により求められる要件は変わります。しかしおおむね、ご紹介したような要件を満たさなければ看護体制加算は認められません。
オンコールは訪問看護サービスのオプションとして介護保険や医療保険の算定保険上の加算ができます。
オンコール体制は介護保険の「緊急時訪問看護加算」か、医療保険の「24時間対応体制・連絡体制加算」で算定されます。
介護保険の「緊急時訪問看護加算」は、利用者やその家族からの相談や連絡に24時間対応できる体制であることが要件とされています。
一方、医療保険の「24時間対応体制・連絡体制加算」の要件は、利用者やその家族から電話などにより看護に関する意見を求められたときに、いつでも対応可能な体制を整えていることです。
このように、連絡がとれる体制を整えることが加算要件となっているため、実際の電話の有無に関わらず、月単位で保険請求できます。
オンコールは医療保険と介護保険が算定でき、必要に応じて緊急時の訪問看護を行える体制に対して加算されますが、適用される保険が異なるため同時算定はできません。
「24時間対応体制加算」を1度算定した月には、「緊急時訪問看護加算」は算定できないことになります。月の途中で保険適用が変わった場合には、その月の初回訪問時に対応する保険が適用されます。
オンコール代行を導入すれば、看護体制加算を算定できる可能性があります。看護体制加算では「24時間連絡できる体制が確保されていること」が要件となっているためです。夜間の対応が十分でない施設がオンコール代行を導入し、他の要件が満たされている状態であれば看護体制加算を算定することもできます。
たとえば株式会社ニチイホールディングスでは、夜間オンコール代行を導入したことにより、夜間看護体制加算を取得した施設が28施設増えたそうです(※1)。またオンコール代行の導入を機に看護体制加算IIを取得し、収益が増えた施設も見られました(※2)。
しかし必ずしも「オンコール代行導入によって看護体制加算を取得できる」とは限りません。看護体制加算を算定するには、24時間連絡できる体制が確保されているだけではなく、その他の要件も満たしている必要があります。サービス提供元や都道府県の担当窓口に相談し、看護体制加算を取得できるか確認が必要です。
訪問看護では日中に自宅を訪問して看護を行います。しかし突然の熱発や急変などは夜間にも起こることがあり、利用者も家族も心配です。そこでオンコール体制があれば、夜間でも対応してもらえて不安がなくなります。
ただしオンコールサービスを希望するには、利用者の同意が必要です。突然夜間に急変しても、同意がなければオンコール対応できませんので、事前にオンコール対応の同意を得ておきましょう。
オンコールサービスの利用には事前の同意も必要ですが、その際には必ず緊急連絡方法を説明しておく必要があります。利用者がオンコールをしたい場合に、すぐに連絡できるよう、わかりやすく電話番号や連絡方法を伝えている必要があります。
訪問看護ではオンコール代行を導入することで、24時間連絡できる体制が確保されている要件を満たし、看護体制加算を取得できる可能性が高くなります。看護体制加算が取得できれば施設の収益も増え、利用者に対してさらに手厚いサービスが提供できるようになるでしょう。
これからオンコール代行を利用して看護体制加算を取得したいと考えている方へ、当サイトではオンコール代行導入前に知っておきたい基礎知識や、導入の手順について解説しています。オンコール代行を上手く導入できれば、看護体制加算取得はもちろん、利用者の方の満足度向上にもつながるはずです。